ソケイヘルニア外来

ソケイヘルニアはどんな病気?どうしてなる?

人間の内臓は「腹膜」という袋で包まれています。さらに外側を筋肉が包み、この袋が飛び出すのを防いでいます。ちょうど大きな水風船の入ったバケツの様なものです。バケツの底に弱い部分があると、圧力で穴が開き、そこから風船が飛び出してきます。 人間の体も同じです。人間の“バケツの底”は肢の付け根辺りにあります。

この部分はもともと筋肉が弱かったり、隙間が開いています。ここの部分に穴が開き、腹膜と一緒にお腹の脂肪や腸が飛び出すと、ぷっくりと膨れてきます。これが「ソケイヘルニア」です。俗に言う脱腸ですが、子供だけの病気ではありません。

  • 先天的な要因
    生まれつき筋肉の隙間から腹膜が飛び出している場合。
  • 年齢的な要因
    年齢とともにおなかの筋肉が弱くなる場合。
  • 環境的な要因
    職業や習慣でおなかに力を入れることが多い場合。
  • この絵の向かって右側のソケイ部は正常です。向かって左側のソケイ部にヘルニアを起こしています。
    この絵の場合、睾丸につながる管が筋肉を貫く穴が、ヘルニアを起こしている方は大きく広がってしまい、ここから腹膜が飛び出しています。

どんな人がなりやすい?

加齢

  • 特に40歳以上の男性

日常生活

  • 咳をよくする人
  • 妊娠している人
  • 過激な運動をする人

職業

  • お腹に力がかかる仕事
  • 立ち仕事に従事する人

病気など

  • 便秘症
  • 肥満
  • 喘息
  • 慢性肺疾患

どんな症状?

出たり引っ込んだりするのが特徴です

立った時やおなかに力を入れた時、太ももの付け根付近が“ぷっくり”と膨らんできませんか? 
そんな症状が見られたら、ソケイヘルニアの可能性があります。
最初はピンポン玉くらいだったものが、時間とともに大きくなり、コブシ大になることもあります。
膨れても手で押さえたり、寝転がってしまうと引っ込んでしまう、というのがヘルニアの最大の特徴です。

飛び出しているときに“違和感”や“軽い痛み・重い痛み”を感じる方もいますが、通常は飛び出すこと以外の症状はないことが普通です。
ただし、今まですぐに引っ込んだものが、どうやっても引っ込まない場合、“嵌頓(かんとん)”といって激しい痛みや腸が腐ったりして、緊急手術が必要となる事もあります。“嵌頓”を起こす前に治療をすることがポイントです。 また、体の構造上、男性に多いのも特徴ですが、女性にもみられます。
女性の場合、膨れるという症状より、痛みのほうが強く現れることもあります。

嵌頓(かんとん)とは

飛び出した腸がお腹に戻らなくなり、飛び出してくる穴で腸が締め付けられる状態を言います。
通常激しい痛みと、ヘルニア部分の熱・変色(赤黒くなります)など、通常のヘルニアとは全く違った状況になります。
こうなるとお腹を開けて腸を切らなくてはいけない場合があり、ぐっと手術は大変になります。

ソケイヘルニアの種類

ソケイ部に出来るヘルニア(グローインヘルニア)には3種類のヘルニアがあります。

間接型

多くのヘルニアがこの形をとります。
精索(精液の通る管や血管が束になったもの・・・)にくっついてヘルニア嚢(袋)が存在し、下腹壁動脈の外側にヘルニアの飛び出す穴が存在するので、外ソケイヘルニアともいいます。
比較的若い患者さまはほとんどがこのタイプで、高齢者にも多いタイプです。

直接型

間接型の次に多いタイプ
弱くなった筋肉を貫いて、ヘルニアが直接飛び出しているタイプ。
下腹壁動脈()の内側に内ソケイ輪が存在するので内ソケイヘルニアともいいます。
ほとんどが高齢者で、若い人にはあまりありません。両方出ている人もこのタイプが多いです。

大腿ヘルニア

大腿輪(大腿動静脈と大腿神経が出てくる穴)を通ってヘルニアが飛び出してくるタイプ。ソケイ靭帯よりも足先寄りにヘルニア嚢が存在します。ほとんどが女性で、高齢者に多く若い人には少ないヘルニアです。嵌頓(かんとん)を起こしやすく、なるべく早く手術をしたほうが良いでしょう。

どんな治療をしますか?

ソケイヘルニアは自然には治りません。手術が唯一の治療法です。
手術法は幾つかあります。また、当院では内視鏡を用いて小さな穴で行う腹膜鏡下手術を積極的に取り入れています。傷が小さく、術後の痛みが少ないため短期入院と早期の社会復帰が特徴です。

手術の種類

ソケイ部切開法

Marcy法

ソケイ部を2〜3cm程度切開して、ヘルニア嚢という袋状になった部分を切除してヘルニア門(出口)を閉鎖します。適応は18歳以下の男女と出産予定のある30歳前後の女性です。

Tenslonfree法

ソケイ部を4〜5cm程度切開してメッシュ(人口補強材)を使用してヘルニア門を塞ぎ、弱い筋膜を補強します。使用するメッシュの種類によって様々な方法(Lichtenstein法、Kugel法、DirectKugel法、PHS法など)があります。

腹腔鏡下手術

TAPP法

腹腔鏡にてお腹の内側からヘルニア門とそのまわりの弱い部分をメッシュで補強する方法です。お腹の内側から腹膜を切開してメッシュを挿入します。切開した腹膜をお腹の中で縫い合わせます。両側のヘルニアの確実な診断と治療が可能で、ソケイ部切開法と比べて手術の傷が小さく(お腹と両側のわき腹に5mmの3箇所のキズ)、痛みも少なく低侵襲な手術です。

下記をクリックしますと、実際の手術写真を用た詳しい内容をご覧いただけます。
手術の写真で気分が悪くなるような方はご覧になるのはご遠慮ください。

腹腔鏡下手術の詳細説明

初診から終診までの流れ

1. 初診

まず、外科外来を受診していただき、診断、治療方針を決めます。 手術が必要な場合は、このときに麻酔を含めた手術治療が安全に行えるか判断するために、 術前検査を行います(採血、レントゲン検査、心電図、肺活量検査など)。 手術に関しての説明と詳しく書いた説明書などもお渡しします。

2. 入院、手術当日

いよいよ入院です。手術前日または当日に入院していただき、手術の準備をします。
手術は基本的には全身麻酔にて行うので、手術中は眠った状態です。ただし、状況により下半身麻酔(腰椎麻酔)にて行うこともあります。
手術が終わると麻酔を覚ましますが、2時間くらいは麻酔の影響でうまく動くことができなかったり、体に力が入らないのでベッド上で安静にしていただきます。
麻酔が覚めたら歩行することも可能です。

3. 入院期間(2~4日間)

手術日の夕方から食事をお出しします。 入院は最短で当日入院、手術、翌日退院の1泊2日、前日入院で翌日退院の3泊2日まであります。入院中にシャワーを浴びていただきます。退院後は入浴も可能ですが、心配な方はシャワーを浴びてください。また、デスクワークであれば退院後1~2日で仕事に復帰することも可能でしょう。

4. 退院後外来受診

手術後約1週間後に外来を受診していただきます。きずの状態のチェック・抜糸や、全身状態のチェックをします。この時点で異常がなければすべての治療・診察は終了となります。このとき、今後の注意点などもお話させていただきます。

休診代診

現在、予定されている休診はありません。

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