重要なお知らせ

前立腺がんのステージ分類

TNM分類

前立腺がんの状態を表す分類で、典型的なのがTNM病期分類です。T(Tumor)は前立腺のがんの状態、N(nodes)はリンパ節転移の有無、M(metastasis)は遠隔転移のことを意味します。

ダミコ分類

患者さんと医師双方にとってわかりやすい分類にダミコ分類があります。これは血液のPSA値、直腸診の結果、グリソンスコアの結果を組み合わせて、低・中・高リスクの3つに分類します。とても分かりやすい分類ですが、分け方が大まかすぎて、それぞれのグループ内の幅がありすぎるのが難点です。
※グリソンスコア:前立腺針生検で採取した組織の悪性度を判断するのに用いる指標

例えば、生検のグリソンスコアが8以上の人は高リスクに分類されますが、PSAが8で直腸診で触れず、しかも生検で12本中1本しか見つかっていない場合もよくあります。同じ高リスク群でPSA20、 直腸診で前立腺を飛び出すしこりが触れる、生検12本中10本にグリソンスコア9の前立腺がんが見つかった方とは実際は治療後の成績は大きく異なります。それぞれの群に幅あることを理解しながら治療方針を決める必要があります。

NCCN病期分類

NCCNのガイドラインによるリスク分類は、ダミコ分類にさらに針生検の結果やPSA density(密度)を加えた分類で、その結果から超低リスク群や超高リスク群に分けます。特に超低リスクの場合は治療において経過観察を選択する上で参考になります。

治療方針について

現在、各治療方法が確立され、早期がんの治療の選択肢が広がっています。転移がない早期がんは、どの治療を選択しても間違いではありません。年齢やほかの病気の状態(糖尿病や心疾患等)、治療それぞれの利点・欠点を検討しながら、患者さんと相談しつつ決定していきます。

前立腺がん